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2010年 01月 25日
位置エネルギについては先に(1.5)も触れた。その折に付言したJALは国土交通省を始めとする関係者の熱烈なエールに支えられ、時に辛口なテレビ朝日までが大変なよいしょ番組を組むほどの熱の入れられようである。ろくに乗客がある筈もない地方空港を「JALがくるから大丈夫ですよ」と50カ所も作り、その赤字処理はあなたまかせ。めくらましの事業多角化で、小説にも揶揄されるようなホテルの高値つかみから、その陰にうまい汁を吸った人々がいかに多かったか。それがこの有様だというのは、ことが位置エネルギーなのか関係者の良心の呵責なのか。事実無根の「潰すには巨大すぎる(Too big to fail.)」原則の適用で、ANAからは贔屓の引き倒しにならないようにしてくださいとねじ込まれる始末だ。構造的な問題についての解決策のないまま、税金による保証が決定されたとは信じたくないが、少なくともその何たるかは納税者には示されていない。この政権は情報公開の技術がよほど苦手になっているのだろうか。
同じくいったい何のために存在しているかいまや判然としない経団連の会長がこんな売り上げ規模の会社に回ってきたとか、いや昔にもあったとか、報道が喧しい。いまや不動産業と第一線を退いた財界人のサロンと化したこの組織。別にサロンが悪い訳でも何でもないが、まともな経済研究所かシンクタンク、あるいは助成財団の一つでも作ればまだしも。綺麗どころを集めて提言だ、方針だ、でお茶を濁す。労使争議華やかなりし頃、総資本の化身として存在感のあった日経連は、全く存在意義がなくなって経団連に吸収合併されたのだが、吸収した方はと言えばこの有様では、それが法人税引き下げや経済活性化を提言しても迫力に欠けることおびただしい。それでもなぜかいつまでも存在し続ける。 かほど位置エネルギーが充満してしまった閉塞状況というのは、かかってそれに代わるエネルギーが不在なことに起因している。民主党が政権を取ったとき、山が動いたと思った人も多かったと思う。その代替エネルギーを失望感に変えるようなことがあってはならない。本来失望させたらとって代わるべき自民党が、具体的なビジョンも示せないまま「民主主義のために政権交代を」と空念仏を唱えている始末ではなおさらだ。
by akirairiyama
| 2010-01-25 00:12
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