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2010年 01月 31日
朝日新聞(1.30朝刊5面)は「新人黙らす「小沢5原則」」として、1「横並び」で党内秩序維持。2党内の出来事はすべて班長に報告。3政府の要職に就くべからず。4テレビに出て目立つべからず。5地元回りはこまめに。を挙げる。143人の新人議員が、いかなる事態にも沈黙を守っている理由であると言う。一昔言われた陣笠代議士。つまり名もなき雑兵に徹せよという締め付けであり、それに背いたら次の公認はないということなのだろう。政治に力学が存在するのは理解できるし、立ち技の正論だけでは成り立たないというのも解らないではない。しかし、同時にこの143人は、それぞれが何万人かの有権者に支持されて選出された代議士だ。小沢親分に命じられれば、一糸乱れず右向け右というのは余りにも不気味ではないか。次回参院選でまた百人余のクローン人間が出来ると想像すると慄然たるものがある。
それでも指示の内容に合理性があり、それなりに納得出来るものであれば認められないではない。地元を回れ、とか、浮かれてマスコミ受けを狙って勉強を疎かにするな、というのはそれなりの説得力なしとしない。(分別ある大のオトナに言うことか、という話はある。しかし、かつて浮かれて墓穴を掘ったチルドレンもいたことだから、ここまではよしとしよう。)政府の要職に就くな、というのは、仕分け人指名返上というのを以てその嚆矢とする。その誤りは今更指摘するまでもあるまい。それもさることながら、公職に就くか否かを親分のご意向で判断する、というのでは自民党の旧派閥順送り人事と一体どこが違うというのだろうか。旧社会党・官公労の体臭を引きずっている人々が小沢幹事長の腹心に多い、というのは決して偶然ではないと思う。政治がいかに妥協の産物であるにもせよ、サラダドレッシングと同じで、いつも振り続けていないと、油と酢は必ず分離する。いつまでそれを続けるのか。それも民主党が避けて通れない選択のように思われてならない。 他方、八方美人を決め込みたがる指導者の下で、民意は尊重するが、それと表現された民意のままに動く、というのは違う、と明言した平野官房長官は、ことの是非についての評価は分かれるにしても、立派だったと思う。破綻財政に対して明確に否定的な態度を表明した藤井氏が表舞台から去った今、平野氏を始めとする民主党の硬骨漢が活躍することが期待される。硬骨漢と言えば傲岸不遜に説明責任を回避する幹事長だけ、というのではこの党は救われない。それにつけても、とつい言いたくなるのだが、自民党は一体どうしてしまったのだろうか。対立軸のない民主政治は不幸だ。不幸になるかどうかが自民党にかかる、というのも不幸のうちかもしれない。頑張ってくださいよ。
by akirairiyama
| 2010-01-31 00:21
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