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2011年 08月 14日
よってたかって詰め腹を切らされた観のある菅総理だが、これでほっとしたのか、新聞報道によれば久しぶりにしゃぶしゃぶとすき焼きの梯子をなさったらしい。寿司屋と焼き鳥屋の梯子、というのでさえご遠慮申し上げたいのに、しゃぶしゃぶとすき焼きというのは、どういう味覚と胃袋の構造をされているのか、政治家というのはそのあたりから常人とは異なった構造なのかもしれない。就任当初の菅総理の「一日」欄は、赤坂界隈の有名レストラン、料理店総なめの観があった。あまりこういう話題で揚げ足を取るのは好みではないが、それでもまさか民の膏で飲み食いなさっているのではないでしょうね、くらいは言いたくなるほどのラインアップだったのを思い出す。貧乏人がにわかにあぶく銭をつかむとやたらにブランド品を買いあさるというが、そんなものかもしれない。
閑話休題。首をすげ替えてみても、さほど代わり映えがする訳でもなさそうだ、というのが偽らざる感想だが、それもその筈、「ねじれ」現象は全く変わっていないし、与党内部にだって、政権の安泰を祈るならば小沢一派に媚態を示す必要がある、というのだから、首相の首そのものは目くらましに過ぎず、かえって事の本質を曖昧にするおそれさえないではなかった。救国大連合だと言い、閣外協力だというのも同断で、要は話し合う中身が何で、そのプロセスがどの程度可視化できるか、というに尽きる。枠組みそのものは二の次、三の次の話の筈なのだが。枠組みの話もさることながら、財政再建、震災復興に向けての増税を否とする議論なるものも、経済成長あるべし、と良い募っているだけでは全く説得力がない。同じ論拠で景気刺激策とやらを乱発したツケが今日の財政状況だからだ。 とはいえ、一頃盛んだった政界再編論も、渡辺「みんなの党」の存在感の喪失と共に尻すぼみになった趣がある。一つには、何を対立軸にした政党相互間の離合集散が起こるのかが見えにくい、という話だ。おそらくは既得権益死守を合い言葉に官僚中心の政策集団がさらなる大きな政府を志向するグループと、かくてはならじ、と規制撤廃を軸に小さ政府を目指すグループ、というのが現実的な選択肢だろうが、ホンネはともかく、自らが官僚を中心として利権構造の温存グループだなどと看板をかける人がいるとは考えにくい。再びさまざまな目くらましの議論が横行することが容易に想像されるから、ここで大事なのは争点が何で、議論は何を巡ってのものか、を闡明にすることだろう。正しく問いかけたことは半ば正しく答えたことになる、という先人の知恵は生かさねばならないだろう。それさえしっかりしていれば「ねじれ」なんぞに一喜一憂することはない。
by akirairiyama
| 2011-08-14 11:41
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