カテゴリ
以前の記事
2012年 06月 2012年 05月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2011年 10月 11日
バイエルン歌劇場最後の演目は「ナクソス島のアリアドネ」。なんていうと、3回続けてバイエルンのブログになるから、定めしオペラ三昧の優雅な毎日にも聴こえるかもしれない。が、真相は少し違って、バイエルンの公演日程にあわせて、月に一度の割合の入院治療の消耗戦を計画した、ということだ。よって入院中はブログもお休み、というのが実態である。
さてアリアドネだが、アドリエンヌ・ビエチョンカはタイトルロールと四つに組んで演じきるのにはいささか力量不足の感が否めない。単調な歌い回し、」声量共にいまひとつ。他日の成長が俟たれる、ということだろうか。ツェルビネッタ役のダニエラ・ファリーは、コケティッシュな役回りを楽しく演じていたが、とてもコロラトゥラの至芸のアリアというのには遠く、それなりの役作りに成功していたという域は出ない。勿論昔日のグルヴェローヴァには比すべくもない。結構儲け役だったのが作曲家役のアリス・クートというところだろうか。 劇中劇のツエルビネッタ部分は、男声に女装させたり、黒のブリーフ一枚で踊らせたり、と悪趣味な演出も多いものの、それなりにふざけ通したコミカルな味を出していた。それに引き換え、アリアドネ・バッカスのギリシャ悲劇部分は、力量不足の方が強く意識されてしまった、というところだろうか。特に、磨りガラス状の大きな照明の前でシルエットにして二重唱を歌わせるのは、観客の視覚というものを無視したとしかいいようのない愚劣な舞台で、大いに閉口したことだった。 それにしても、最近の演出というのはどうしてあんなに安手な装置が多いのだろう。ヨーロッパの歌劇場はどこもかしこも火の車のようだから、ふんだんな制作費がかけられない事情は判らないではないが、ゼッフェレリ風の重厚な舞台には久しくお目にかかっていない。意味不明な独りよがりもさることながら、書き割りとプラスチックに満ち満ちたぺらぺらな舞台は、いつかツケが回ってきそうな気がするのだが。かつて学生演劇盛んなりし頃、「おや、紙ずれの音がする。源氏の殿のお越しでは」と揶揄された倹約舞台のことなどが、ふと思い出されたりすることだった。
by akirairiyama
| 2011-10-11 14:53
|
ファン申請 |
||