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2008年 05月 02日
行政評価、学校評価など「評価」を耳にすることが多くなった。広辞苑は(1)品物の価格を定めること(2)善悪、美醜、優劣などの価値を判じ定めること、とするが、(1)のほうはわれわれが毎日遭遇している。この値段にしてはちょっとね、とか、これはお買い得、という話だ。そんな中でも(2)のお世話になることもある。ミシュランのレストランガイドなんていうのは定めしそれだし、ネットで買い物をしたことのある人なら、信用度ランキングはおなじみだろう。
市場で価格が決められないモノやサービスの「評価」については、少し別の意味が加わる。例えば年金給付に関する情報提供、ある中学での数学の教え方、さらには公民館の運営から、ODAの使われ方のようなケースだ。こういう仕事について、だれかがどこかでしっかりした税金の使われ方になっているか、うまく運営されているかを「評価」する必要がある。この必要性についてはまず異論はないだろう。(ちなみに、オカネの使われ方に不正や不当がなかったかどうか、といういわば警察行為をする会計検査院とか、監査とは全く意味合いが違う。)評価結果をどう公表するか、どう活用するか、といった問題も派生するが、それは少し措いておくことにする。 ことを税金を使う話に限定する(実は「評価」が重要な意味を持つのはそれに限らない。病院とかNPOの活動、さらには売り手と買い手の間に情報量に差があって、買い手が圧倒的に不利な場合など、数え上げればきりがないが、それも暫く措いておくことにする。)と、評価制度を活用することによって、その事業の目的が何で、それがいかに達成されたか、されなかったかを明らかにすることができ、このブログで8回(3/11・13・16・19・20・22・4/6)にわたって指摘した予算主義・予算制度のバカバカしさをカバーできるという利点がある。予算主義のバカバカしさというのは、目的より手段の方が大事になるところにあるのだから、目的重視、成果重視の視点を取り込むことによって、手続き偏重のお役所仕事に穴をあけることが出来る。 評価というのは事後に行うものに限らず、事前の計画段階のアセスメントや、期中の実施状況チェックなども含む幅広い考え方だが、ここでは事後の成果評価を中心に話している。款・項・目も単年度主義も結構だが一番大事なのは効率的に目的を達成することでしょう、という当たり前の話を通用させる格好の道具になる、ということだ。 とかく誤解され易いのだが、評価というと、なにか絶対のモノサシがあって、それをあてはめるとあら不思議、閻魔帳のように全て優劣が明らかになる、みたいに考えている人がいる。(中にはこの錯覚を利用して、スペインの異端審問官みたいな役割を評価に果たさせようとする人がいたりするのは困ったものだ。)そうではなくて、評価というのは常に何らかの目的を持って行われる。それが業務運営の改善だったり、経費削減だったり、また場合によっては事業の「質」の向上だったりする。だから予め目的を明示して、評価尺度や評価手法を公開する極めて民主的なプロセスだ。(蛇足ながら、これが秘密主義のノーベル賞やミシュランと違うところ。)その条件を満たしていないものは評価の名に値しないし、逆にこのプロセスが導入されないところに民主主義はない。(この項続く)
by akirairiyama
| 2008-05-02 12:22
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