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2008年 05月 19日
陳腐な比喩で恐縮だが、臭いトイレも長く入っていると臭いが気にならなくなる。官僚システムの愚劣さや浪費癖といった部分も、中にいる人間にとっては、そんなものだ、と思ってしまえば気にならないどころか、一層それに拍車がかかろうというものだ。このシステムの透明性とか答責性、あるいは「襟を正す」行為を官僚自らの手に委ねていたのでは、百年待っても実現できなかったものが、民社党の摘発によって、あっという間に成果を上げた。国交省関連外郭公益法人の整理はその第一歩である。(かけ声だけで、何年の間手が付けられなかったかを想起されたい。)
「ねじれ」て以来、国会は決して効率的に法案審議を進めていないし、革命的改革である筈の道路財源をめぐる結論も、よほど気をつけていないとなんだか怪しげなものになりそうだ。不毛な議論や、旧態依然たる権力闘争の再現のような事態も垣間見える。そんな中で唯一生産的な成果を上げたのは、民主党による一連の具体的な税金の無駄遣いの指摘だったと言ってよい。これはアラ捜しとか、タブロイド・ジャーナリズムといったレベルのものではなく、むしろ民主主義の自浄バネというべきものだ。 道路から、次の戦場は後期高齢者問題に移りそうだが、再度の民主党の活躍を期待したい。もう既に、厚労省が4日で出来る基礎データ調査をこの数年間放置していた、という怠慢さが明らかになっている。社保庁のみならず、厚労省本体の税金浪費、職務懈怠を具体的事例で徹底的に追及して欲しい。ことは国交省・厚労省だけに留まる筈がないのは既に明らかだろう。 大所高所からの観念論、あるべき論のような抽象的な議論では、(頭の良い)官僚に言いくるめられて勝ち目はない。具体的な実例を「これでもか」と列挙することによってのみ旧態依然たるシステム運営は改革できる。公開された具体例の前にはいかに鉄面皮になろうとしても、せいぜい冬柴さんのような大臣に弁解させるのが関の山で、それ以上の反撃はできない。そして、この路線によるシステム改革は、民主党に留まらず自民党その他からも必ずや同調者が出現する。 政界再編とか、新党づくりといわれるものを、単なる数合わせや権力を巡っての離合集散に終わらせないためには、こうした具体的事実の開示によるシステム改革、日本改革が必須であり、かつ唯一の王道だ。「神は細部に宿る」というのは政治においても例外ではない。
by akirairiyama
| 2008-05-19 01:09
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