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2008年 07月 05日
鈴木崇弘氏が主宰するシンクタンク2005・日本の「金曜研究会」で権丈善一慶応義塾大学教授の話を聞く機会があった。その主題と教授の持論はなかなか面白いが、それを紹介するのが本稿の目的ではなく、これまでに筆者が力説してきた諸点に対する教授の反対意見(もちろん特に筆者の主張に対して、ということではなく、一般的なスタンスの問題としてであるが)のところだけ「つまみ食い」をして敷衍してみよう、というものだ。
増税派と上げ潮派の対立に関して、ことは順序に過ぎず、むしろ政治感覚の問題だ、と前に(5.4「政策論争」)指摘した。しかし、教授によると、まず無駄を省いてそれから増税、という議論は俗耳に入り易いが、結果としてはそうでなくとも高いとは言い難い日本の福祉水準をさらに低下させる議論だ、という。というのも、無駄を省く、冗費節減のような話になると、どうしても成果が目映りの良い多額の予算カットに走りがちで、その際にターゲットとされるのは福祉であり、医療であり、教育ということになりがちだからだ。たしかに、少子高齢化社会に対応する経費増、プライマリーバランス回復が、塵も積もれば式の無駄の征伐で可能になる、と考えるのは(本気でそう思っているらしい政治家もいらっしゃるようだが)ナンセンスだろう。だからことは二項対立ではなく順序と政治感覚の問題だと思うのだが、その点は措こう。むしろ問題なのは、いずれ来るべき増税、予算拡大の後に起こることだ。 これは放置すれば必ずや官僚機構の肥大化を生む。(日本の官僚機構はそんなに大きくない。肥大化という用語には問題がある、という議論もあるが敢えてその点には触れない。)このブログでもたびたび指摘した、予算主義と前例尊重の位置エネルギーが充満した官僚機構に、これ以上の執行権限を与えたのでは、国民ニーズに応えることが少なく、効率(VFM)のひどく悪いオカネの費われ方になるのは明らかだ。だから、増税・福祉予算拡大の議論は、その執行体制とワンセットでなされねばならない。予算が増えたから天下り先が増えたり、無駄なサービスが連れ立ってメニューに加わることがあってはならない。 ということは、予算の策定と執行に「民」の役割を増大させる仕掛けを創らねばならない、ということを意味する。税金依存型のNPOが、オカミの手かせ足かせに疲弊している、という現状は、税金依存のNPOそのものに問題があるのではなく、税金を使わせる仕掛けの方に問題がある。これが筆者の繰り返し指摘する悪しき予算主義(3.11/13/15/16/19/20/22 4.6)からの脱却であり、これなくしての予算拡大はどうかすると欠点の方が利点を上回ることになる。市場原理への過度の依存には批判も多いが、会社法の改正に見られるように、非営利会社の実現も射程に入ってきている。そこでの市場原理はおそらくこれまでの通念とは全く異なったものとなろう。大きい政府でも小さな政府でもない新時代の装置を日本の手で創出したいものだ。そのための大きな一歩になる筈の公益法人改革が無惨にも官僚統制の軍門に降りかけている。とりあえずこれをなんとかするのが第一歩だろう。
by akirairiyama
| 2008-07-05 11:39
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