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2009年 05月 25日
平成13年というから、今から8年前、鳴り物入りで1府22省庁が1府12省庁に「合理化」された。もちろんその目的はタテ割りの弊害をなくし、執務の合理化を図りなどなど、美しい文言が並んでいたのは記憶に新しい。小泉政権誕生の前夜である。当時から、減るのは次官の数10人だけ、とか、焼け太りとか、揶揄する論調に事は欠かなかった。もちろんお役所仕事の流儀を変えないで器だけ変えてみても、さしたる効果など上がると期待する方が能天気な話なのは明白だが、ともあれ前例踏襲、昨日の通り今日もまた、というのが金科玉条であった霞ヶ関に一石を投じたのは事実で、当時のマスコミが面白おかしく、本当か嘘か確かめ様のない話を垂れ流していたのは覚えていらっしゃる方も多いだろう。
それが、厚生労働省は余りに肥大化し、巨大化しすぎたからやはり分割する方が良いという声があるという。どこのだれがそんな「声」を発しているのかぜひお伺いしたいものだが、まあ8年経てば朝令暮改という事にはならない、という見方だってあるかもしれない。だから、また元に戻すのもいいか、ということになりかねないが、この事なれば、次々と他省庁に波及しそうなのが怖いといえば怖い。が、問題の本質はそこにはない。普通の感覚ならば、肥大化・巨大化して手に負えなくなれば、どうでも良い仕事、なくても良い仕事を切り捨てる、というのが真っ当な解決法だろう。次々と新規の仕事分野が増えてくる、というのならなおのことだ。scrap and build などというのは余りに手あかがつきすぎて、よほど売れない経営コンサルタントだって今時使わない表現だ。それが、仕事が増えたから分社化して対応しようという。問題なのは増えた仕事の分売り上げや収入が増えている訳ではない事だ。 別に12省庁というのが理想的な組織構造だといっているのではない。昨日の通り今日もまた、というエトスを抱えながら、目うつり、耳あたりの良さそうな新しいテーマにはダボハゼもびっくりというくらいの貪欲さで飛びつく。挙句の果てが人が足りぬ、組織が肥大化した、という官僚組織の自己増殖本能には政治家が「待った」をかける他はない、と言いたいのだ。官僚諸公は優秀だからそんなことは先刻ご承知で、シンパの政治家養成に余念がない。本気でご進講するから、シンパ諸氏は時として傍から見ると頭がよかったり、事情通に映ったりする。ときには猿芝居の猿である事を忘れて、時代の先駆者、指導者面をしたりする。そこまで「ご教育」をする優秀な官僚諸氏の手並みには尊敬の念を払うが、願わくば、そんなことにかけるエネルギーの何分の一かを本当に天下国家、あるいは納税者のために使っていただけるとよいのだが。しかし、あらまほしがっていても事は始まらない。どの候補者が官僚を使えるか、それとも使われそうか、その「めきき」にくらべれば、本当は二世か三世かなんて言うのはどうでもよいことなのだが。
by akirairiyama
| 2009-05-25 00:23
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