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2009年 09月 26日
鳩山内閣の滑り出しが順調なように見えるのは喜ばしい。国内メディアの例によって例のごときすり寄りぶりはお馴染みだが、海外メディアもおおむね好意的な報道が多いのは、まさかハネムーン期間でもあるまいから、久々に国際的にメッセージ性のある日本のリーダーが出現したことを歓迎しているのだろう。もっとも、メッセージ性には常にその履行責任という裏側があるのは当然の話で、その限りにおいて、鳩山さんの今後は平坦な途ばかりではなさそうだ。
温室ガスの25%というのはその最たるものだろう。ある程度ラフな積算が裏にあったのだろうとは思うが、途上国支援や代替エネルギーでこの目標を達成するのは容易なことではない。初手から中国・米国の不参加を見越して、その前提条件が満たされないから、と逃げを打つつもりではまさかないと思うが、メッセージ性の与えた期待の裏には、大きな失望感があること位、知恵者の小沢環境大臣がついていてご存じない筈はない。 対等の日米関係も類似の問題点を提供する。日本が核武装をするはずもないし、すべきでもないとすれば、核廃絶への意気込みはともかくとして、それに至る間の防衛力については対等になどなりっこない。のみならず、沖縄の基地問題一つをとっても、対等というキャッチフレーズが何を意味するのか明確には伝わってこない。いうべきことはいう、というだけの話なら、ことごとしく対等などといい募るまでもあるまい。 東アジア共同体に至っては、中国の暴走をどう止めるか、という展望なしには絵空事だろう。さりとて、インドと組んでブレーキをかける、とも言いにくいだろうし、また考えていても言うべきことでもない。南アジアを含めないで、東だけの経済圏構想というのが現実味があるかどうか。共通通貨について言えば、元と円のバスケットにおける比率一つをとっても、友愛などというシュガーコートで済む話ではないように思われる。 といった批判は誰にでも出来ることだ。民主党の知恵者、まして鳩山さんがこんなことくらい念頭にない筈もなかろう。いやいやそれより真の問題は小沢一郎だとか、民主党を支持した覚えはあるが、あの出しゃばりのナントカ党の大臣に言いたい放題(それもこともあろうにモラトリアムだという。江戸時代の棄捐令が状態を改善したか、悪化させたか、日本の歴史を少し勉強されてはどうだろう)言わせておいてよいのか、とか。日本の舵取りをする上では、全てが簡単にゆく、ということではないだろう。それにも関わらず、鳩山政権には大きな期待を抱いている。少なくとも、自民党政権では逆立ちしても出来なかったことがいくつか現実味を帯びてきているからだ。ないものねだりをするのは後でも良い。とりあえずは薄汚い垢や錆落としに励んでほしいものだ。
by akirairiyama
| 2009-09-26 00:02
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