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2009年 12月 26日
遂に予算案が出来上がり、国内政治における民主党内閣の最初のワンクールが終わった。もちろん国会審議が控えているし、そこでの推移によってはシナリオが変わる論理的可能性はあるが、昨今の自民党を拝見していると、とてもその覇気は感じられない。わずかに「みんなの党」の動きに期待が寄せられるが、如何せんこの党は参議院に議席がない。民主党が衆議院であれほどの圧勝をおさめれば、合従連衡は(民主党がマイノリティである)参議院においてしか意味がない。その結果何がおきつつあるかは読者の皆様ご承知の通りである。
そんな訳で、当面は世にも不思議な三党連立政権が続くとして、百日の間の鳩山政権の功罪はどんなものだろうか。褒め讃える話は別にして、この政権の最大の罪は途方もない赤字予算を策定したことにあるのは明らかだろう。日本国のさらでだに発散さえ懸念されている財政事情を、さらに足を引いた、と見ざるを得ない。その理由が、選挙時マニフェストの公約のしがらみと、事業仕分けの切り込み不足にあることはこれまでにも再度指摘した。それらに対処する方法はそんなに難しいことではない。それとは全く別の罪は、ボス支配による政治、という懸念を国民に与えていることだろう。これについても詳説はしないが、闇将軍支配といういつか来た道(dejavu)を彷彿させる。この政権のウリの最大なるものは清潔感であり、政策プロセスの透明性であってみれば、所詮相容れない両者を並立させようという小細工は命取りになる。だからといって闇将軍が自制する筈もないし、将軍一派を排除すること等できはしない。メディアを通じての国民への直の訴えしか方法はあるまい。 長引く不況と景気対策のなまぬるさを失点と指摘する向きもあるが、買わない。少なくとも即効性のある景気対策等というものは、ケインズ流の公共投資が封じ手になっている今日、あり得べくもない。小泉政権下の規制撤廃を悪と断ずる風潮が一般的なようだが、とんでもない話だと思う。お役所のタテ割り縄張りの護送船団方式が、どれほど国内企業活動の拡大を妨げているか。どれほど癒着した政官財のありように資しているか。ためにする議論をなすものは恥じ入るべきだと思う。現状改変に危惧の念を表明するのは、守旧派の常套手段だ。地方への権限・財源委譲を含め、愚劣なお役所の規制を完全に撤廃すべきだろう。それ以上の景気対策はないように思う。 同時に、民主等政権が真に21世紀における革新勢力であろうとするのなら、従来型の政官財に代わる新たなプレーヤーの育成に意を用いるべきだろう。詳細は別項に譲るが、社会的企業(social entrepreneur)といわれるものの資金調達の仕組みを考えるとか、あのどうしようもない公益法人制度改革を一度白紙に戻すとか、打つ手はいくらでもあるだろう。思いつきのパッチワークではなく、ことは先見性とビジョンに関わってくる。 国際問題についてのこの政権の立ち位置に就いてもコメントしたいことはあるが、これも別稿に譲る。
by akirairiyama
| 2009-12-26 23:20
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