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2010年 10月 28日
事業仕分けの第三弾が始まった。その功罪・限界については既に語り尽くされた観があるから敢えて繰り返さない。それにつけても唖然とするのは官僚諸氏の対応だ。世間の常識からすれば、同じ過ち、同種の失敗はしないように心がける、あるいはしたら最後、まともに相手にはしてもらえないことがある、というのが普通だろう。場合によっては、おまえ一体こちらのことをどう考えているんだ、とパンチの一つが飛んできても不思議でないことだってある。自動車教習所で、サイドブレーキをひいたまま発進するのを三回続けてやってみれば良い。それを、いけしゃあしゃあというか、鉄面皮というか、恬として恥じるところのない対応を繰り返しているのには驚きを通り越して失笑がこみあげてくる。
まさか故意に連舫さん以下の仕分け人を小馬鹿にしたくておやりになっているのではなかろうから、ことは確信犯の部類に属すると考えた方が良さそうだ。つまり、お役所内部、はなはだしきはお役所のあるセクション内部の「常識」だけが尊ばれるべきものであって、それ以外のソトの論理は全く別の言語体系に属するかのごとく認識される、ということだろう。政策目的と自己規定しているものだけが存在を許されるのであって、それ以外の政策目的も可能だろう、などというたわごとはおよそ耳を貸すに足りない、という訳だ。この論理構造は、事業仕分けのみならず、あらゆる場面で見受けられることだ、と考えると、あの奇怪な反応も理解し易くなる。官僚支配からの脱却、霞ヶ関優位の根絶というのは、他でもないウチの論理の閉塞状態を打破して、ソトの論理の風通しをよくする、という側面が大きい筈だったのは想起されてよい。 もっとも、この倒錯した価値体系・言語体系とも言うべきものは、何も官僚諸氏に特有のものではないのかもしれない。いけしゃあしゃあと悪びれないのは蛙の専売特許ではなく、最近では鳩もおやりになるようだ。のみならず、大手都市銀行が合併後も交差点の右を見ても左を見ても同じ銀行の看板がかかっていたり、恥知らずにサラ金まがいのカードローンのコマーシャルを得々として打っている、なんていうのが何ら疑問に感じられることなくまかり通っているのも、同工異曲というべきだろう。してみると、身辺に危機感が及ばない限り、批判だ非難だというのはどこ吹く風で済ませられる、ということだろう。逆に言うと、事態をなんとかしたければ、彼らの身辺に危機感を及ばすのにはどうしたら良いか、を真面目に考えない限り何も起こることが期待できない、ということだろう。 あの方々に身の危険を感じていただくためにはどうすれば良いか。そんなに難しい質問でもないように思うのだが。
by akirairiyama
| 2010-10-28 23:28
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