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2010年 12月 11日
このところ菅内閣の危機だとか、政権維持がにわかに危うくなった、といった論調がマスコミを賑わしている。マスコミたるもの、ニュースがなければ作ってでも煽っていた方が面白いのだろうからそれはそれで結構だ。しかし、本気で菅内閣の存続が危ぶまれる事態がにわかに発生した、と思い込む人が出るとすれば、ややマスコミの罪は重い、というべきだろう。というのも、民主党が参院選に惨敗して国会が「ねじれ」てから、別に何も変わっていないからだ。
参議院では野党が多数なのだから、問責決議案なんていうのは出せば通るに決まっている。その度に閣僚を取っ替えていたのではたまったものではない。(11.27「問責決議」)だから問責された方は殊勝な顔をしていれば良いので、まともにとりあう話ではない、というのは誰が考えても解る理屈だろう。取り替えないから審議拒否だ、などという暴挙にまさか野党が出るとも思わないが、出たら国民の支持がどちらに傾くか、これは三歳の童子にでも明らかだ。国政が停滞するのは困ったものだが、理由が「ねじれ」にあるのなら、誰が出てきても同じことだし、だからといって一つ覚えの解散総選挙も問題の解決には遠い。要するに突然菅内閣が危地に陥った訳でもなんでもない。 与野党どちらも習熟期間にあり(上記ブログ)、双方がなんとか事態に折り合いを付ける手法を見つけない限り、この国の政治は永遠に停滞する運命にある。もちろん離合集散による多数派工作、というテはないではないし、その方向に向かってうごめいている老害現象があったり、恥を知らない鳩ぽっぽが飛び回ったりしたりもする。人を以て言を廃せずとは孔子様の名言だから、うごめいている人間が気に入らないからといって、一概にその動きそのものを否定するのも当たらないのかもしれない。 ちなみに政局議論に際して、菅内閣は何をしたいのか解らない、という苦言は、しっかりしろよ、というエールであって、だから取り替えるべきだという論拠になる話ではない、というのは再認識された方が良い。かつての自民党時代の総理を何人か思い起こしてみれば、やりたいことが判然としていたのは小泉時代だけだった、という事実に思い当たるだろう。何も菅さんに限った話ではない。さて、いささか頼りなげなこの政権が習熟期間を終えるのと、自民党が野党としてのそれを卒業するのとどちらが早いか。野党としては十分に成熟しているかに見えるみんなの党が、どんな形で存在意義を示すのか。しばしの国政停滞は授業料だと思う他はあるまい。そんな大義の前には、およそルールというものを無視している妙な存在を除去してかかるのは当然の話だろう。
by akirairiyama
| 2010-12-11 00:36
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