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2011年 03月 08日
永竹由幸先生のツアコンでオペラを見て廻るという贅沢な旅行が今度はシチリアに出かけるという。カターニャのベッリーニ歌劇場とパレルモの世界最大の歌劇場その名もテアトロ・マッシモを訪れ、しかもなんとカバレリア・ルスティカーナを舞台現地のシチリアで観るという。これは参加せざるベからず、というのが今度のシチリア紀行だ。
もちろん観光要素も盛りだくさんで、エトナ火山を遠望するタオルミナ、古都シラクサ、さらにはギリシャ・ローマ遺跡のアグリジェントやセジェスタと日程に不足はない。さらにおまけに火災から復興なったヴェネチアのフェニーチェ歌劇場をカーニバルの真っ最中に訪ねるという付録までついていたから、楽しいこと夥しかった。 まず本命のオペラの方から始めると、ベッリーニ歌劇場ではカバレリアとパリアッチョの二本建て(どうしてカバレリアはいつもパリアッチョとペアになるのか不思議だが、やはりこの組み合わせの評判にかなう相方がないのだろうか)を、それもプリモ・キャストとセカンド・キャストを二日続けて聴くという凝りようだった。得てしてこのクラスの歌劇場ではセカンド・キャストの方が良かったりするとは前から聞いてはいたが、たまたまセカンド・キャストが最終日だったこともあったのかもしれないが、全くその通りで、プリモ・キャストでやや消化不良だったのがすっかり満足したことだった。オペラの後でこの歌劇の舞台になったヴィッチーニに出かけたのだが、舞台装置の教会とその真ん前にあるマンマの酒場がまさにそのものずばりのリアルさだ、というのには二度驚いた。 ちなみにカバレリア・ルスティカーナというのは田舎騎士道というほどの意味で、シチリアの生んだ文豪ジョバンニ・ヴェルガの同名の短編小説(岩波文庫で翻訳が出ているが、十ページ足らずの小品だ)の戯曲化をもとにしているが、実話だったようで、恋敵サントゥッツァとローラの家が細い路地を挟んで向かい同士だったり、酒場からはほんの十メートルくらいで、これでは忍び逢いもばればれだよね、等という話題に花咲いたことだった。 一方のパレルモのテアトロ・マッシモの演目はジョコンダ。ベッリーニ同様何のけれん味もない古典的な舞台で、全く安心して観ていられる。のみならず手違いで手配しておいた切符が手に入らず、その代わりに、永竹先生とその助手の影山さんの顔と機転で、何とロイヤル・ボックスで観劇という一生に一度の経験までさせて頂いた。忘れ難い経験である。
by akirairiyama
| 2011-03-08 23:36
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