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2011年 04月 22日
先の東京バレー団公演でも、出演予定のドイツ人バレリーナがドイツ政府の日本への渡航自粛勧告の影響でキャンセルされるのにぶつかったが、4月のN響定期公演でもハプニングが起こった。今回はマーラープログラムで、「さすらう若者の歌」を歌う筈だったバリトンのディートリッヒ・ヘンシェルが、同じく来日せず、代わりに急遽河野克典が起用された。始めて聞くバリトンだが、やや声量不足の感は否めないが、滑らかで美しい声は、単なるピンチヒッターの間に合わせを遥かに超えて聴衆を満足させた。
今回の指揮者はノリントン。アーノンクール等と並んでピリオド楽器やピリオド奏法で著名な音楽家だ。ピリオド楽器というのは以前は古楽器と言っていたのだが、一口に古楽器と言っても時代の差が著しい。それぞれのピリオド(period)即ち時代とか期間に応じた楽器、という言い方に変わったもののようだ。同様にピリオド奏法というのも、それぞれの時代に現代とは異なった様々な奏法があったものを現代に復元する、という趣のようだ。筆者は門外漢なので詳説する能力はないが、一番有名なのはビヴラートをかけない奏法で、これも全くかけないという原理主義から、かけかたを抑える、というものまでさまざま。今日のN響も気持ち抑えているような音だったが、定かではない。 もう一つはマーラーの交響曲第1番「巨人」。編曲の途中で削除された第2楽章を「花の章(Blumine)」として演奏するという洒落たプログラムにもノリントンらしさの片鱗が見えた。マーラーだ、ブルックナーだというプログラムはとかく重くなっていささか胃にもたれる様な場合が多いが、今回のそれは、選曲と指揮者のスタイルがあいまって、さわやかな感じが残る演奏会になった。それにしても、毎度のことながらNHKホール会場従業員の騒がしさは言語に絶する。それも入り口で「入場券お持ちの方はまっすぐお進み下さい」とおよそ無用の案内を絶叫している職員から、モギリ嬢が「まっすぐお進み下さい」はては場内アナウンスがひっきりなしに録音をするな、義援金を集めているからよろしく、携帯は切れ、みたいな放送をする。CDを売っているカウンターでは「本日の曲目を多数取り揃えています」。終演時に偉いさんとおぼしき人々が出口でお見送り。これは流石に無言でありました。 もう一つ。渋谷駅からNHKスタジオパークまでバスがあるのは結構だが、とても広い構内なのに、遥か手前で客を降ろして、後は歩け、というのはあれはどういう訳なのだろう。もう百メートルほど先で降ろせば随分助かる人も多かろうと思うのだが。
by akirairiyama
| 2011-04-22 23:13
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