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2011年 08月 18日
先の「奥飛騨紀行」を読んだと、半世紀前に一緒に山歩きをした友人から音信があった。学生時代毎年のように北アルプスや黒部渓谷に入り浸っていた仲間だが、三人のうち一人千葉志津馬は人生の達人とも言うべき洒脱な男だったが、早く鬼籍に入った。残った二人で往時を偲ぶことになる訳だが、その片割れも同じ頃に新平湯温泉に滞在していたらしい。何でも山内得立が数十年前に開いた哲学講話の会を記念してフランス人の学者も参加した小さなセミナーとのことだった。その片割れとは他でもない、かつてプロヴァンスの案内役をつとめてくれた(2009.11.14「フランス」紀行(2))中村先生なのだが、そのセミナーのテーマは「縁」で、それを景観工学、あるいは風景学の立場から議論する、ということのようだった。
山内得立といえば、名著「ロゴスとレンマ」はいまだに書架を飾っている。さてその内容は、といえば記憶は怪しげなのだが、恩師大賀小四郎先生によれば、「一旦知識として覚えて、覚えているうちは教養とは言わない。覚えてから忘れて始めて教養になる」そうだから、それなら山内先生は立派に小生の教養構築に与って力があるというべきだろう。それはともかくとして、風景と縁との関わりなどという話題で奥飛騨の温泉に集っている人々もいれば、混浴の野天風呂を楽しんでいる俗物もいる訳で、様々な存在をそのままの姿で包摂し、少しも揺るがないのが自然の風物なのだろう。その意味では風景は全ての縁を吸収して揺るがない。自然を征服しようなどという考えの浅はかさを思い知ることになる。 これが自然の征服になるのかどうかは定かではないが、奥飛騨辺りの中部縦貫自動車道というのは、山脈をぶち抜いている所為でとにかくトンネルの連続である。12キロを超える長大トンネルもあり、この豪雪地帯でのかつての山越え、交通止めとはようやく無縁になったと聞いた。その昔金沢から白川郷に抜けるバスの運転手は、山道で本降りの雪になるとバスを棄てて近くの村落に退避したという。それも遠い昔の話になった。1兆円を超える建設費を投じたこの道路、シルバーウィークなどには渋滞数キロを数えたという記録もあるが、目下のところは全く他に走っている車も見かけない。げにドライバー天国は地方にあるというべきだろう。 上高地も乗鞍も、マイカーを入れなくなって久しい。そのうちに温室ガス規制でクルージングが反社会的行為になる日も近いかもしれない。それまでの間に関東周辺のドライバーの方はせいぜい地方に出かけられてはどうだろう。観光による地方振興は、何も東北に限ったことではない。
by akirairiyama
| 2011-08-18 09:45
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