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2007年 12月 23日
病院で受けた投薬、あるいは処置によって、重大な病気にかからされた、生死に関わる病であるのみならず、一生それを背負って生きて行かなければならない。怒り、憤り、やるせなさ、悲しみ、いかばかりのものかと思う。自分一身のことについて償いを求める。それだけだって、納得して折り合いをつけるのは大変なことだと思う。それを、自分と同じ立場になるであろう人、同じ思いに苦しむであろう人全てが救済されない限り自分だけではあくまで納得しない。崇高とか、気高いとか、人道的だとか言う表現を超えて、人間とはここまで志高くありうるものかと感嘆する。今回の薬害問題について以下に若干のコメントを試みるが、基本的にこの認識は変わらない。いささかなりとも被害者の不快感を誘う部分があるとすれば、それは全くの本意ではないことを予め断っておきたい。
第一に、ある薬の製造・使用を許可する。その判断行為に過失があったか否か、という問題が問われる。様々な検証の過程を通じて、当然知り得べきであったこと、知り得なかったことは明らかになろう。過失があれば責めを負うのは当然、ということになるし、過失がなければ、現実に被害が発生していても、被害者はお気の毒、運が悪かったね、ということになる。これに対して、(本人の落ち度によらずして)現実に発生した被害は救済しよう、あるいはすべきだ、という立場がある。誰が救済するかについては、無過失責任の法理を適用して加害者に責めを帰するほか、保険制度を設定してそうした事態に対応することも可能である(予め用意されている必要はあるが)。過失の有無の問題は司法の判断であり、後者については立法の問題である。薬害問題というのはこの両者の谷間に当たる部分で発生している。つまり、ある薬の有害性が、科学的な知見という見地から、ある時点までは解らなかった、知り得なかったと仮定しよう。その時点以前の判断に過失を認めることは出来まい。要するにその時点以前に製造使用されていた薬によって発生した被害に対して、国あるいは行政当局は法的に責任を問われることはない。しかし、現に被害は発生している。これを救済しなくてよいのか。運が悪かったですね、ですまされるのか、というのが問題の本質である。 仮に救済すべきだという途を選ぶにしても、そこで必要となる資金が税金であってみれば、支出する為の何らかの根拠が必要になる。福田総理の、まして舛添大臣の裁量的支出権限の枠内だとはとても考えられないからだ。となると、お役所、すなわちお役人の支出根拠についての根拠、あるいは法解釈の立案が必要になる。 ところが第二に、役人というものの本質は、「権威づくの、杓子定規の、上意下達の、ことなかれ主義の、要領のいい、人間味のない考え方」[半藤]、あるいは「先例踏襲、繁文縟礼、瑣末主義、事大主義、責任回避、尊大横柄」[本田])であることは周知の事実である。簡単に言ってしまえば自らの判断に責任を取らされたくないし、取らなくても良いしかけを巧妙に張り巡らせる。そうでもなければ何兆円という年金資金をグリーンピアなどのドブに棄てて、誰一人責めを負わないなどということは考えられまい。良い悪いの話ではなく、制度設計が万国共通にそうなっているというだけのことだ。だから後世に名を残す今回のような事態に「責任を取る」判断が出てくる筈もない。行政各部を束ねる大臣、すなわち政治の介入が必要になってくるのはこの場面だ。今回の議員立法というのは一つのモデルだろう。願わくば将来に備えた保険制度も組み込まれたものであることを期待する。
by akirairiyama
| 2007-12-23 15:49
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