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2008年 04月 15日
記者クラブ体質から抜けきれないマスコミについては以前にも触れた(3.10「使い切り」)が、4月14日の朝日新聞夕刊一面「国立大・「努力」交付金に反映・文科省が新基準」という見出しの記事はいま一つの好例を提供する。
この記事の中味は国立大に交付される「運営費交付金」(1兆1800億円)について、学生数などに連動して自動的に決まる割合を減らして、「教育や研究の水準」あるいは大学全体の「業務運営の改善」についての評価結果を反映させる部分を増やす、というもの。それは大変結構なことだが、問題は誰が、どのように評価するか、ではないか。それをないがしろにしたまま、あたかも素敵な方針が実行される、といっているのでは、何のことはない文科省(の記者クラブ発表)の提灯を持っているようなものだ。 記事は、文科省の「国立大学法人評価委員会」による評価、というだけで、この評価委員会が旧態依然たる学界のボスや文科省の古手によって構成されているか否かについては全く言及しない。そこを明らかにして、これがホンモノの改革なのか、それとも見せかけだけの厚化粧に過ぎないかを書いてこそのマスコミではないか。 役所のクラブでの発表以外に取材源を持たず、また持とうともしないマスコミの不勉強ぶりは枚挙に暇がない。カネがないのか、ヒマがないのか。政局記事にうつつを抜かして朝駆け夜討ちは大好きだが、こちらのほうは趣味に合わないのだろうか。
by akirairiyama
| 2008-04-15 00:57
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