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2008年 06月 16日
統計や数字は容易に人を欺く。これに「合成の誤謬」(部分的には正しくても総体としては誤ってしまうこと)まで加味されると、一見科学的・客観的にみえる議論にも極めて危ういところがあるのは承知の上なのだが、それにしても昨今の政策議論は余りにも情に流されすぎて、根拠についての詮索がなさ過ぎるように思う。いうところの後期高齢者問題(このネーミングの無神経さについては先に(6.7)述べた)はその典型だろう。姥棄てだ、棄民政策だ(そういう側面があるのは事実だが)という前に、少なくとも以下の諸点について、極力偏りのない数字を示すことが必要だろう。
第一に、一定年齢以上の被保険者が死亡する直前の何年か(3年でも5年でもよい)に実際に費消した医療費の総額(と、それが総医療給付に占める割合)。これが解らなければ、大数の法則に基づく保険原理の枠内で吸収すべきものか否か、判断の根拠が存在しない。かつて厚労省課長補佐が発言したといわれる「後期高齢者が亡くなりそうになり(中略)500万円とか1000万円の金額になってしまう。(それを・筆者)あまねく若人が支援金として負担しなければならない」という事態がどの規模で、どれほど発生しているかを検証するのは当然のことだろう。保険制度の中で最も一般的な死亡保険や損害保険は補償額が確定している。だからこそ保険原理に馴染む訳で、それがいわれるように青天井ならば対策を講じるのは当然だからだ。 第二に、上記数値に基づいて、何歳以上の被保険者にどのような差別的取り扱いを行うのが適当なのか、その根拠を示すべきだ。徴収方法、まして負担能力による軽減等の措置はその後の二次的な話に過ぎない。 もちろん、これ以外にもまともな議論のために抑えておきたい数字は多い。しかし、多くの場合長期的な予測には推計値、それもかなり恣意的な数字が多かったのは知ってのとおりだから、比較的まぎれの少ない実績値を中心に議論をしている。とにかくこれくらいのデータさえなくて闇夜に鉄砲のような議論をしていたのでは、何のことはない最近の若者の会話と同じだ。後期高齢者問題は「うざい」、「きもい」、そして「チョーむかつく」から、「廃案にするのがいいんじゃないっすか」。余りといえば、余りじゃないっすか?
by akirairiyama
| 2008-06-16 14:51
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