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2009年 03月 05日
活字媒体には元気のない話が多い。「新聞がなくなる日」等という本が書店に並んだり、ネット広告総額が新聞雑誌を追い抜いたとか。などとブログに書いているのだからあるいは自己撞着かもしれない。とはいえ、活字媒体ならではの楽しさも筆者くらいの世代ではまだまだ強い。その一例が3月4日の日経夕刊20面で、わづか1頁の中に楽しいお話を三つも見つけるとなんだか嬉しくなる。
一番目は山本一刀の連載小説「おたふく」106回目で、登場人物の一人駿喜のいう台詞だ。「儲らねえことは、やってはならねえ。そんな商いは、客に迷惑をかけるだけだ」なんとも言い得て妙。公益法人改革で収支はトントンにならなければならない、という馬鹿な法律を作った役人に読ませたい。商売であれ、なかれ、すぐお手上げになって客に迷惑のかかるような仕事がよかろう筈がないではないか。 二番目は漫才のオール巨人の言い分で、話芸の舞台では「人を中傷しない、歌わない、下ネタを言わない」というのを昔はたたきこまれたという。騒々しいギャグと「しゃべくり」に食傷している身としては、タレントさん達にぜひ座右の銘にしてほしい内容だ。 三番目は「こころの玉手箱」。福川伸次さんの登場だが、彼がオランダの日本貿易振興機構(JETRO)に出向中に、腕に覚えのチェロが縁で各国の仲間と室内楽アンサンブルを組み、あちこちで公演していたら、東京から「生活が苦しいなら連絡するように」というメッセージが入ったというのだ。福川さんがチェロをたしなまれるとは知らなかったが、それにしても「にやり」とさせられるではないか。 こんな話題がまさに一瞥のもとに詰まっている。当分新聞は止められそうにもない。
by akirairiyama
| 2009-03-05 17:00
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