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2009年 06月 27日
麻生首相は党役員、閣僚などの人事によって「求心力を回復する」のだという。(6.27日経朝刊3面)手あかのついた顔ぶれを並べ替えてみる程度のことで本当に求心力が回復するようであれば、自民党もついに末期的症状だというべきだろう。同じ顔ぶれのスタメンでも、打順を変えてみるプロ野球のほうがどれほどましか解らない。
このところの自民党の迷走ぶりは目に余るものがある。選対委員長が、自分の党の現職議員がいる県の知事に立候補要請に行って、派手なパフォーマンスをかまされて尻尾を巻いて帰る、なんて言うのもその一例だ。異色の地方首長が続出するのは、旧来の政治体質・構造に有権者がノーという意思表示をしているのだ。それを旧体質を引きずったまま、異色の首長にすり寄ってゆく、というのでは因果関係がまるで逆になっていることにさえお気づきではないと見える。 選挙だ、人事だみたいな話ばかりで、バラまくだけバラまいた後は何の政策議論もなされる気配がない。既得権益にとりこまれた官僚と与党がこの体たらくなのは仕方がないとして、民主党までが次の選挙に向けての政策綱領をいまだに打ち出していないのはなぜだろう。先に出すと、後だしじゃんけんに負けるのがいやで待っているのでもなかろうが、小手先のパフォーマンスに飽き飽きしている有権者に対して、自党の比較優位を示す千載一遇の好機を見逃しているとしか思えない。 与野党を問わず、特に若手議員の顔ぶれを眺めていると、誠に有望で将来を期待される人材が少なくないことに気づく。彼(女)ら程の人々がなぜ自分たちの存在をプレイアップする仕組みを考えだせないのだろう。既存の枠組み、これまでの意思決定機構に習熟する時期だ、と考えているのだろうか。それとも誰かを担がなければ勢力たりえない、と諦観しているのだろうか。その力学のようなものは、選挙の結果によって大きく変化するのだろうか。 どれほどの猿芝居が続こうが、3ヶ月のうちには必ず総選挙が行われる。何を巡って、どのような選択肢が有権者の前に提示されるのだろうか。それが不明のまま、「何となく」ムードで一票を投じるようなことにだけはなってほしくないものだ。しかし、仮にそうなってしまったら、われわれは所詮自分たちのレベル以上の政治家は持てないのさ、と諦めて終わりにするのか。これほど破滅的な財政状況の中ではさすがにそうもいっていられまい。自分の身の回りから、地道な努力を始めて見る他あるまい。それなくして地方分権を叫んでみても空念仏だ。 町内会・自治会をはじめとする身の回りの民間非営利組織と言われるものに新たな機能が期待されざるを得ない。誰かが主体にならなくては政・官・財のトライアングル打破も、官僚の専横のチェックも出来る筈がないからだ。参加のないところに民主主義はない、というのは旧くて新しい真理だ。
by akirairiyama
| 2009-06-27 10:30
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